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家に入れない!増やさない!住まいの害虫対策

2017/07/11

アイデアライフ

ほどよい温度と湿度、豊かな水と食べ物。そして、ホッとできる静けさや、落ち着ける薄暗さがある。人にとって快適な住まいは、実は「害虫」たちにとっても繁殖しやすい「巣」まいと条件がかぶります。しかし、そうは言っても「害虫」と同居はしたくありません。「害虫」が避けつつ、人の良好な住み心地を維持できるのでしょうか? なるべく安全に「害虫」を避ける対処法をご紹介します。

 violetblue/shutterstock.com

■住まいに現れる「害虫」とは

「害虫」の中で最も名の通っている虫といえば「ゴキブリ」だと思いますが、「ゴキブリ」のいない家はあっても、実は「ダニ」のいない家というのはありえません。それくらい生息頻度の高い身近な害虫にも関わらず、その小ささゆえに生態や対処法などがあまり認知されていない「ダニ」ですが、命に関わるアレルギー症状の原因になるなど、深刻な害を及ぼしている虫です。

また、着用頻度の低い上等な礼服や冬服に穴をあける「ヒメカツオブシムシ」や「イガ」といった衣類害虫の被害に遭ったことのある人も多いはず。これも食害中の虫を目撃できるものでもないために、対処に困っているという声を聞きます。

今回は、ごく普通の住まいに出現するこれら代表的な害虫「ダニ」「ゴキブリ」「ヒメカツオブシムシ」の生態と、その対策を軸にご説明していきます。

「害虫」と呼ばれる虫たちが好む条件や、それぞれへの対処法は似通っています。その他の害虫、例えば「チョウバエ」「コバエ」「ノミ」「蚊」などの発生や繁殖を抑える上でも応用できますので、ぜひ参考にしてください。

OmaPhoto/shuterstock.com

①「害虫」たちの侵入経路

■ダニ……侵入経路の多くは不明。外出先の「カーペット」「じゅうたん」などから靴下経由で持ち込んだり、洋服やペットの毛皮などにつけて持ち込んでしまうものと考えられています。家に持ち込んだ後も、湿気の多いロングブーツ内などで繁殖したり、カーテン、エアコンのフィルターなどからも検出されるなど、「まさか」という場所で生息している例もあります。

■ゴキブリ……屋外から、窓、玄関などを通って主に歩いて侵入します。集合住宅などでは下水管、壁の隙間、ベランダからも。羽はありますが飛んで侵入するケースはまれです。卵の状態で古ダンボール、古雑誌、中古家具や中古家電の裏(基盤)などから持ち込まれることもあります。新築の住居で見るケースでは、前の住居から自ら持ち込んでしまった可能性が高いです。

■ヒメカツオブシムシ……洗濯物にくっつけた状態で成虫を家に入れてしまうケースが多くみられます。マーガレットなどキク科の白い花を好み、切り花などに付いてくることもあります。

maroke/shutterstock.com

②「害虫」たちの好む環境

■ダニ……エサとなるホコリが多く潜れる環境、とくに布製品を好み、まくら、布団、ベッド、布ソファ、ぬいぐるみ、じゅうたん、カーペット、畳、ラグ、衣類、カーテン、クッションなどに生息しています。気温20〜30度、湿度60〜80%で繁殖。気温50度で死滅します。

■ゴキブリ……エサとなるゴミ、ホコリ、食べカスが多く、かつ潜伏しやすい暗く、暖かく、狭い場所を好みます。とくに冷蔵庫裏やテレビ裏などの年間を通して暖かい電化製品周辺は要注意です。気温25度以上、湿度75%以上で積極的に繁殖しますが、気温35度以上になると異常行動を示して死にます。

■ヒメカツオブシムシ……食害をする幼虫が食べるエサとなるホコリ、乾いた食べ物のカスのある環境や、汗やシミなどの汚れの付着した衣類を好みます。気温15〜25度、湿度60%以上が最適で、気温30度を超えると動きが鈍ります。

Syda Productions/shuterstock.com

③「害虫」たちによる主な害

■ダニ……いわゆる「咬む」ダニはまれ。死骸、フンによるアレルギー症状(肌のかゆみ、咳やくしゃみ、鼻炎)など。封を切ったパンケーキミックスなどに混入したものを食べてのアナフィラキシー・ショックもこれに含まれます。

■ゴキブリ……不衛生感、不快感、食料品の食害、書籍の食害。まれに電気配線が齧られてショートすることもあります。サルモネラ菌などの媒介リスクも高く、フンによるアレルギー症状もあります。

■ヒメカツオブシムシ……衣類の食害(虫食い)。被害に遭いやすいのはウール、シルクなど動物性の繊維ですが、綿や麻、ポリエステルなども食べこぼし汚れや汗ジミなどがある場合は注意が必要です。

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④「害虫」たちの予防、対処法

■ダニ……予防の基本は「換気」と「掃除」。換気で部屋の空気の湿度を下げ、布類の乾燥を促し、ホコリを掃除機などでしっかり除去することでエサを減らします。目に見えるほど多量のダニが発生している場合には、「くん煙・くん蒸剤」で部屋ごと殺虫する必要がありますが、薬剤が不安な場合には「ダニ捕りマット」を仕込むなどして捕獲・殺虫するほうが簡単で害もありません。定期的に布団に掃除機(ふとんクリーナー)をかけることなども効果があります。

■ゴキブリ……予防の基本は「掃除」と「ゴミ捨て」。ホコリ、食べカスなどは速やかに除去します。潜みやすい家具の陰、植木鉢、家電と壁の間なども、なるべくこまめに掃除しましょう。エサとなってしまう不衛生なものは放置しないのが基本。どうしてもゴキブリに会いたくない場所には、ゴキブリの嫌うミントの香りの「忌避剤」を仕込んでおくと安心です。ドラッグストアなどで買える「食毒剤」を仕込むのも、効果がある上、ゴキブリの死骸を見てしまう心配があまりないので、とくに女性にオススメです。

■ヒメカツオブシムシ……予防の基本は、干した布団や洗濯物に見慣れない虫が付いていないか、とりこむ際に毎回確認するようにすること。切り花なども、虫がついていないか注意して見るようにしましょう。衣替えの際にしまう衣類は必ず「洗濯」「乾燥」。汗などの汚れを持ち越さないことも虫をつかせないために大切です。衣類の保管は、防虫剤をしっかり効かせ、密閉できる収納ケースを使用するのがベターです。

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害虫もカビや臭いなどと同様、気づかないうちに家に入り込み、小さく生息し、ある時点でドッと目につくようになる類のトラブル。あたりまえの「ゴミ捨て」「換気」「掃除」を大事に行うこと、「いつもと違う」「見慣れない虫がいる」と気づいたら、見過ごさずに深掘りしてみることが「大発生」を予防する秘訣といえそうです。

【プロフィール】

藤原千秋

住生活ジャーナリスト

大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。主に住宅、家事まわりの記事執筆を専門として活動。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)『二世帯住宅の考え方・作り方・暮らし方』(学習研究社)等、著監修書多数。